フィリピンでは、ネットが遅いので、少ない選択肢の中から少しでも早く安定した回線を確保するのに苦労します。
我が家は移住した7年前から大手のGlobeという会社のインターネット回線を使っていたのですが、安定性がなかったため、ついに、Convergeという新興の会社のサービスの利用をはじめました。
結果は利用して正解でした。
劇的に早くなったわけではありませんが、安定性が感じられるようになったのです。
ここでは、フィリピンのインターネット事業やConvergeとその使用感などについてお伝えします。
フィリピンのインターネット事情
フィリピンのインターネット環境は遅れています。
世界各国のインターネット速度のランキング(ブロードバンド・下り回線速度・2021年8月現在)
順位 | 国名 | 速度(Mbps) |
1位 | シンガポール | 262.20 |
5位 | タイ | 221.00 |
7位 | 韓国 | 216.67 |
17位 | 日本 | 180.35 |
26位 | 台湾 | 152.00 |
46位 | マレーシア | 103.28 |
59位 | ベトナム | 75.30 |
63位 | フィリピン | 71.17 |
114位 | インドネシア | 26.95 |
アジアの主な国の順位です。
フィリピンは63位で日本と比べるとかなり遅く、アジアの国の中でも遅い方です。
アジアでは、インドネシアがフィリピンよりさらに遅いです。
フィリピンのインターネット事業は、PLDTとGlobeの2社による寡占状態が続いてきて、そのことが「遅くて高い」という問題につながっていると言われています。
ただ、最近は、インターネット事業では、2社のほかに「SKY cable」というケーブルテレビプロバイダーや「Coverge」という会社もよく目にするようになりました。
また、中国系の会社が通信事業に参入したとのニュースもありました。
変更前の我が家のネット環境
我が家のインターネット回線は、移住時からずっとGlobe社の回線を使っていました。
最初はDSL回線を使い、何度かアップグレードして、今回、Coverge社に乗り換えるまでは、以下のプランを使っていました。
Fiber 100Mbps UNLI 2,899
・光ファイバーで速度は100Mbps。
・1か月の料金は2,899ペソ(約6,370円)
・データ使用量は無制限
・固定電話料金も込みです。
日本では光ファイバーだと1ギガが普通のようですが、我が家のプランは100メガでした。
しかも、そんなに安くない。
それでも、ある程度安定していれば問題ないのですが、続けて使っているとなんとなく不安定な感じがしました。
スピードテストではちゃんと100Mbps以上出ています。
しかし、子供の学習用タブレット「チャレンジタッチ」で教材を進めると、いつも途中でグルグル回る表示が出て最後までできません。使い物になりませんでした。
問い合わせしてサポートの人に言われた通りテストしてみると、ネット環境が不十分と言われました。
また、Wifiは5Gと2.4Gの2種類ありますが、サンダーバードというメールソフトでは、5Gだとエラーが出てメールが送れず、2.4Gだと、遅いけれど送信できるという不思議な現象がありました。
速度は問題ないのに、チャレンジタッチの件や使っている時の不安定な感じから、回線が断続的に切れているのではないかと推測されました。
子供たち(小学校)はコロナの関係でずっとオンライン授業、また、仕事でもネットを使いますが、なんとか使えていたので、そのままGlobeを使い続けていました。
GlobeのFiber(光回線)にした時の記事は以下です。
この時は、それ以前より「多少は改善されたかな」と思っていました。
Covergeという新興の回線事業者について
その後、PLDTへの乗り換えを検討していました。
そんな時、住んでいるアパートの大家さんが「親戚がGlobeやPLDTと比べてCovergeの回線は速いと言っている」と教えてくれました。その親戚というのは我が家の近所の家でした。
Coverge は昨年くらいに住んでいるビレッジ内でキャンペーンのようなことをやっていました。しかし、知名度があまりなかった会社だったので、その時は気に留めていませんでした。
調べてみると、2007年設立のケーブルテレビとブロードバンドの会社で、コロナ禍の中で、収益を伸ばしている回線事業者のようでした。
「アメリカの会社が進出した」と書いているブログもあり、実際convergeというアメリカのIT関係の会社が存在していましたが、フィリピンのconvergeのサイトにはそうした記述がなく、よく分かりませんでした。
価格はGlobeより安めでした。契約することにしました。
Covergeのfiberを使ってみた
プランは一般家庭用「FIBERX」の100Mbpsプランにすることにしました。
価格は1か月2500ペソ(約5500円)
速度は同じ100Mbpsで、Globeの2,899ペソより少し安いです。
その後、同じ料金でアップグレードしました。(詳細は後述)
最初はオフィシャルサイトの申請フォームから送信したのですが、住所を何度も聞いてきたり、1週間以上返信がなかったりと、ちぐはぐな対応が続いて、申し込みが全然進みませんでした。
それで、セブ(マンダウエ市)の窓口へ足を運び、改めて申し込みました。
すると、2日後位にインストール費用(2500ペソ)の請求がメールで届き、支払うと、その翌日にはスタッフが自宅に来て、セッティングをしてくれました。
メールのやり取りとは違って、ずいぶんと早いので驚きました。
ただ、契約は2年契約で、途中で解約の場合は残りを支払うという内容でした。
他の事業者も似たような感じですが、残りの期間の分すべてを払うというのは少し厳しいかもしれません。
回線の設置作業のようす
ビレッジ内のポイントから回線を引っ張ってきました。
モデムの取り付け
インターネットの速度はどうなったか
回線速度の計測結果
速度を計測した結果が以下です。
時間帯によって違い、以下のどちらの結果もconvergeの5G回線です。
通常は120前後、時々200を超える時もあります。
Globeの100Mbpsの時も下り120Mbps程度は出ていましたが、上り(アップロード)は40Mbps程度。Covergeは80Mbps以上と倍の数値が出ています。
実際に使ってみた感触~安定性が向上
仕事でインターネットを使ってみた感じとしては、正直、劇的に早くなったという感じはしませんでした。
しかし、使い物にならなかった子供のチャレンジタッチが途中で止まることがなく、使えるようになりました。
また、少し重めのファイルのダウンロード時間が、以前よりかなり早く驚いたことがありました。
それから、サンダーバードのメールが5Gで送信できないという現象もなくなり、メール送信自体も早くなりました。
回線の安定性の面では、グローブ社の同じ100MBファイバープランと比較して優れている感じがします。
ただ、たまに接続が切れることがあります。これはGlobe社も同様です。
現在は、3人の子供たちのオンライン授業で毎日使用していることもあり、接続が切れた際の保険の意味で2社と契約しています。
Globeはトラブル時の対応もスムーズにはいかず、大変だったことが多かったです。
その辺の対応や故障の頻度などはしばらく使ってみないと分かりませんが、様子を見ていきたいと思います。
その後、同料金で300MBにアップグレード(2022年5月追記)
その後、「FIBERX2500」が同料金で内容が100Mbから300Mbににアップグレード(なんと3倍!)されれていることを知りました。
convergeのオフィス行って聞いてみると、同じ料金のままでアップグレードできました。
ただ、convergeのスタッフによると、問い合わせをしなければ、そのままだったとのこと。
それは、ちょっとひどいと思いました。
同じプランなのだから、自動的にアップグレードすべきだと思いました。
回線の速度を試してみると画像のような結果が出ました。
時間帯によって数値はかなり幅がありますが、200Mb後半から500Mbの測定値が出ています。
数値的にはかなり早いのですが、体感的には「ちょっと早くなったかな」という程度です。
セブ(マンダウエ市)のConvergeユーザー窓口
Convergeのユーザー窓口は、マンダウエ市内 A. S. Fortuna沿い「Oakridge Business Park」の中にあります。