フィリピンでは、コロナがなかなか収束せず、ロックダウンが一貫して続いています。
私の住んでいるセブでは、数多くの私立学校でオンライン授業が行われています。
これまで経験したことのない環境の下、各学校は試行錯誤しながらオンライン授業を進めているようです。
私は一家でフィリピン・セブに移住して7年目になります。
3人の子供たちは地元の私立小学校に通っていますが、2020年8月からオンライン授業を行っています。
子供たちの通う私立小学校の様子を例に、フィリピンのオンライン授業の一端をご紹介します。
▼ロックダウンについてはこちらの記事もごらんください。
私の子供たちが学んでいる学校の紹介
私の子供は、長男(小学6年)、次男(小学4年)、長女(小学3年)の3人。
セブのマンダウエ市内にある「SACRED HEART SCHOOL – Ateneo de Cebu」(以下、アテネオと呼びます)
中華系のアテネオ大学系列の学校で、幼稚園から高校まであるマンモス校です。
ところで、フィリピンの義務教育はどのようになっているでしょうか。
アメリカで主流の「K12」という制度を導入しており、1-6-6制となっています。
うち、Hight Schoolの6年間は、日本で言うところの中学4年間と高校2年間に分けられます。
- Kinder(幼稚園年長) 1年間
- Grade School(小学) 6年間
- JuiorHigh School(中学) 4年間
- Seior High School(高校) 2年間
合わせて13年間
オンライン授業の様子
厳しいネット環境の中で何とか受講
アテネオの小学校(Grade School)では、月曜~金曜 週5日間、朝8時~午後3時まで、休憩をはさみながらオンライン授業が行われています。
我が家では、3人が端末を同時に使うため、パソコンやタブレット、スマホなどを総動員して授業を受けています。
私や妻もPCを使って仕事をするので、Wifiを同時に使うことになります。
フィリピンは、元々インターネットの速度が遅いことに加え、最近は調子があまりよくないので、ネットが切れてしまうことも頻繁です。
だましだまし何とか授業を受けています。
スケジュールについて
オンライン授業・週のスケジュール例(長男・小学6年生)です。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
8:00~8:20 | 朝のミーティング | ||||
8:20~9:10 | CLF(宗教) | フィリピン語 | 理科 | 英語(読解) | フィリピン語 |
9:10~10:00 | 道徳 | 社会 | CLF(宗教) | 英語(全般) | その他の学習(体育や音楽、PC等) |
10:00~10:30 | 休憩 | ||||
10:30~11:20 | 社会 | 算数 | 英語(読解) | 社会 | 理科 |
11:20~12:20 | 昼食 | ||||
12:20~1:10 | 理科 | 中国語 | フィリピン語 | 算数 | 英語(読解) |
1:10~2:00 | 算数 | 英語(全般) | 算数 | 理科 | 英語(全般) |
2:00~2:50 | 自習時間 | ||||
2:50~3:00 | チェックアウト |
※黄色はライブ映像を使ってリアルタイムで受講する授業。
それ以外は、モジュール(ドリルや教材)などを使った自己学習です。
教科は、Math(算数)、English Language(英語全般)、English Reading(英語読解)、Science(理科)、Filipino(フィリピン語)、Chinese(中国語)、Social Stydies(社会)、Character Formation(道徳)、CLF( Christian Leaders Fellowship=クリスチャンの教育)、MAPHE(体育や音楽、コンピューターなどその他の学習)の9科目です。
カトリック系の学校のため、カリキュラムにクリスチャンの教育が組み込まれています。
アテネは中華系の学校ですが、フィリピンの小学校では、全般的に中国語を学ぶ学校が多いようです。
ライブ映像を使ってリアルタイムで受講する授業(synchronous)と、モジュール(ドリルや教材)などを使った自己学習(a synchronous)の2種類を使い分けて授業が行われています。
朝一番のミーティング(class advisers time)は朝礼のような時間です。国歌を歌ったり、その日の予定などを確認します。
8月からオンライン授業を開始
アテネオでは、8月に入ってから2週間程度の間に親と生徒のオリエンテーションを終えた後、中旬からオンライン授業を本格的に開始しました。
いつまで続くかは、今のところ発表されていません。
コロナの見通しが立たないので、決まっていないのだと思います。
オンライン授業は、マイクロソフト社のMicrosoft Teamsを活用しています。
Microsoft Teamsは、コロナ下で大きく注目されているツールです。
ビデオ会議系のサービスで、ビデオをはじめ、文書、資料の共同編集、共有、管理、アンケートやテスト、チャットなどオンライン授業で役に立つ機能を備えています。
無料版も用意されていますが、学校などの教育機関には、割安なプランが設けられています。
授業はどのような感じで行われているか
ライブ映像を使った授業では、質問に対して回答したり、質問する場合は、手を挙げる動作のようなボタンを押してからマイクをONにして発言や発表をします。
カメラは付けても付けなくてもよいようです。
他の生徒の声を聴きながら授業を受けることで、リアルの教室のような雰囲気で学ぶことができます。
ディスカッションの時間では、先生がスライドショーを使い、生徒の意見を聞きながら授業を進めます。
また、質問に対する回答や先生への質問などでチャットも活用しています。
生徒同士でもチャットで意見を交換したり、分からないところを教え合ったりしています。
最初の頃は、授業中に生徒同士で授業と関係ない話をしたりして、先生に注意を受けることも多かったようです。
休憩時間には、おしゃべりを楽しむこともできます。
また、各科目で課題も出され、自習時間などを使って学習して提出します。
理解の度合いを確認するテストやクイズもあります。
その他の科目、例えば体育の体操の授業では、先生が教えた後、子供がそれに習って体を動かし、それをビデオカメラで見てもらうということをやっていました。
オンライン授業のメリット・デメリット
子供たちのオンライン授業を通して感じたメリット、デメリットをまとめました。
オンライン授業のメリット
- 送迎の移動時間がなくなった
フィリピンの私立学校に通うには、送迎が必要です。
運転手を雇って送迎する家庭も多いですが、我が家は私と妻で手分けして送迎しています。
アテネオは、我が家から少し離れていることと、セブは交通渋滞がひどいので、送迎の移動時間は大きなロスとなっていました。
今はそれが全くなくなったことが大きなメリットです。 - オンライン授業用のツールを活用することでリアルな教室に近い雰囲気で学習できる。
限界がありますが、先生と生徒、生徒同士の双方向のコミュニケーションをある程度実現できます。
オンライン授業のデメリット
- 教室の熱気や空気を感じることができない
ある程度はリアルな教室に近い雰囲気で学習できますが、端末を通じてなので、限界があります。 - ネット環境があまり良くないので、安定的に利用できない。
子供が3人同時に使うには、我が家はネット環境が心もとないです。 - 家に両親といるので、小さな子供は甘えてしまいがち
特に2年生の長女に言えますが、授業や課題で分からないことが出てくると、空き時間に親に泣きついたり、怒ったりすることが時々あります。 - 体育館やグラウンドを使うことができない
学校で体を動かす機会がほとんどなくなってしまいました。 - 友達と一緒に遊ぶ機会がなくなった
これまでは、休み時間や放課後に友達を遊んだり、スポーツをしていたのですが、それができなくなってしまいました。
セブの小学校でオンライン授業 まとめ
日本では、かなり前に学校が再開されましたが、ロックダウンが続き、子供の外出が禁止されているフィリピンでは、オンライン授業で対応するのはやむを得ないでしょう。
今のところいつまでオンライン授業を続けるのか分かりませんが、これが長期間に及んだ場合、子供の成長にどのような影響を与えるか心配な部分もあります。