2022年12月からフィリピンでSIMカードの個人情報登録が義務化されました。
フィリピンでは、以前は、どこでも買える安価なSIMカードをスマホやガラケーに差すだけで、電話やインターネットが利用できたのですが、新しい法案によって、個人情報の登録が必須になりました。
フィリピン在住者から、留学生や観光客などの短期滞在者まで、全ての利用者が対象となります。
ここでは、SIM登録法の内容や、登録方法についてご紹介します。
フィリピンのSIM登録法について
フィリピンのSIM登録法は、犯罪防止を目的に、SIMカードの登録を義務付けるものです。
2022年10月に可決され、12月27日から施行されました。
ウィキペディアによると、法案が最初に議会で可決された際、当時のドゥテルテ大統領が「多くの権利を脅かす国家介入」などして拒否権を発動したそうです。
いわくつきの法案のようです。
新規購入・既存SIMの違い
- SIMを新規購入する場合
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個人情報を登録してSIMのアクティベーション(利用可能にする)を行う必要があります。
- 既存SIMの場合
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2023年7月30日までに登録していなかった場合、古いSIMは使えません。
購入の際に必要なもの
ネット上には、空港などでSIMカードを購入する際、パスポートと帰りのフライトのEチケットの控えが必要との情報がありました。
ただ、私はフィリピンで至るところにあるサリサリストア(ローカルなコンビニのような店)で購入した際には、何も必要がありませんでした。
購入場所によって違うのかもしれません。
空港や通信会社のショップでは、必要な可能性があります。
ちなみに、サリサリストアで購入したSIMカードは40ペソ(100円程度)でした。
フィリピンのSIMカードはとても安いです。
旅行者は有効期限30日間
短期滞在の観光客や留学生がこれにあてはまりますが、SIMカード登録の有効期間は30日しかなく、それを過ぎると自動的に使えなくなります。
SIMカードの有効期限の延長は、会社によって違うようで、Smart社のようにできる場合と、Globe社のようにできない場合があるようです。
電話番号が変わって問題なければ、新しいSIMを購入して新規登録するのが簡単なように思います。
SIMカード有効期限の延長について
- Smart社の場合
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※英語の引用元を自動翻訳
引用元:Smart公式サイトのFAQ
登録したSIMは30日間のみ有効で、有効期限が切れると自動的に無効化されます。
引き続きサービスをご利用になりたい場合は、新しいSIMをご購入いただき、再度ご登録いただく必要がございます。 - Globe社の場合
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※英語の引用元を自動翻訳
観光客として訪問する外国人は、SIMの有効期間内であれば有効期限の延長を申請することができます。登録外国人が有効なビザまたは承認されたビザ延長を提示できる限り、SIM の有効期間を延長できる回数に制限はありません。
観光客として訪問する外国人は、有効なビザまたは承認されたビザ延長証明書と携帯電話番号をsimregistration@smart.com.ph (電子メールで) または最寄りの窓口に提示/提出することにより、登録済み SIM の有効期限延長をリクエストできます。
引用元:Globe公式サイトのFAQ
未成年者はSIMを購入できるか
未成年者は自分の名前でSIMを登録することはできず、親または保護者の名前で登録する必要があります。
SIMカード購入の際に必要なもの
登録はWEBサイトかアプリから行います。
その際に本人確認や住所(滞在先)が必要で、画像をアップロードします。
本人確認に使用できる身分証明書
本人確認に使用できる身分証明書は以下の通りで、パスポートや運転免許証等です。
- Passport
- National ID
- Social Security Service ID
- Government Service Insurance System e-Card
- Driver’s License
- National Bureau of Investigation clearance
- Police Clearance
- Firearms’ License to Own and Possess ID
- Professional Regulation Commission ID
- Integrated Bar of the Philippines ID
- Overseas Workers Welfare Administration ID
- Bureau of Internal Revenue ID
- Voter’s ID
- Senior Citizen’s Card
- Unified Multi-Purpose Identification Card
- Person with Disabilities Card
- Other government-issued ID with photo
外国人の場合の身分証明書について
観光や留学など短期滞在と、フィリピンに住んでいる外国人とで必要なものが違います。
- 観光や留学で訪れる外国人(短期滞在)
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- パスポート
- フィリピンでの住所証明と観光客の本国への往復航空券、またはフィリピンからの出発日時が記載されたその他の航空券
- 他の種類のビザ(観光ビザ以外)を持つ外国人の場合(フィリピン居住の場合など)
-
- パスポート
- フィリピンでの住所証明
- 労働雇用省 (DOLE) が発行する外国人雇用許可書
- 入国管理局 (BI) が発行した外国人登録証明書 ID カードまたは ARCI カード
- 学生の学校登録と身分証明書。または、その他の関連文書(該当するもの)
突然SIMカードが使えなくなった
私は2023年7月下旬まで日本に一時帰国していて、SIM登録のことをよく把握していませんでした。
フィリピンに戻って、8月1日に突然、SIMが使えなくなりました。
最初は故障かと思ったのですが、調べてみると、登録法の事が分かりました。
急いで登録を行うと、すぐに使えるようになりました。
先に書いたように、本来7月30日までに登録しないと、登録不可になるはずでしたが、期日を過ぎていたのにもかかわらず登録でき、アクティベーションが成功しました。
電話番号は、銀行やネット上のサービスなどで、電話認証の際に必要となるので、もし、使えなくなっていたら大変でした。うっかりしていました。
現在、古いSIMが登録できるかどうかは不明です。
ちなみに、2023年8月21日にSmart社の古いSIMを登録しようとしましたが、できませんでした。
SIMカードの登録方法
主要SIMカード会社の登録サイト
- Globe/TM https://new.globe.com.ph/simreg
- Smart/TNT http://smart.com.ph/simreg
- DITO http://dito.ph/RegisterDITO
登録の流れは、概ね以下の通りです。
必要なもの(先に記載してパスポートと住所が証明できる書類など)を用意して行いましょう。
また、自分で行うのが面倒という方は、各SIMカード会社のショップでサポートしてもらいながら登録することも可能です。
SIMカードの登録の流れ
- 該当するSIMカード会社の登録用Webサイトにアクセス
- 10桁の携帯電話番号(例:9171234567)を入力し、「登録」ボタンをクリック。
- 登録資格がある場合は、携帯電話にワンタイム PIN (OTP) テキスト メッセージが届くので、入力して登録を続行
- 必須フィールドを入力(名前、誕生日、性別、住所、国籍)し、
自撮り写真と、身分証明書(IDの種類を選択)、住所が証明できる書類をアップロード - 登録が完了したことを示す参照番号が画面に表示されるので、スクリーンショットを撮るなどして保管しておきましょう
留学生の場合、以下でOKです。
- 身分証明書 → パスポート
- 住所 → 留学先の学校の住所
内容はそれほど厳密ではないようです。
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