今更ですが、フィリピン・セブで生活して驚いたことをまとめました。
セブに移住して6年以上になり、フィリピンの緩い雰囲気が気に入っています。
今ではたいていの事は驚かなくなりましたが、それでも日本人的感覚はあるので、イライラすることもあります。
しかし、「郷に入っては郷に従え」ではないですが、他国に住まわせていただいているので、違いを楽しむ位の気持ちで生活しようと心がけています。
独断と偏見で選んだ10選をご紹介します。(数字は順位ではありません)
フィリピン・セブの移住に関する情報(まとめ)はこちらをご覧ください
1. 貧困層の多さ
フィリピン・セブで街に出ると、いたるところで貧困層の多さを感じる場面に出くわします。
フィリピンは経済成長の真っただ中。
巨大なビジネスビルやコンドミニアム、オシャレで立派なショッピングモールなどがどんどん増えています。
(コロナ下でストップしていた建設も再開されはじめたようです。)
一方で、豪華なビルの周辺や川沿いにスラムのような住居が並んでいたり、貧富の差を象徴するかのような光景が至る所でみられます。
また、車で移動すると、停車中にお金を入れる紙コップを手にしたした物乞いに窓をノックされ、ショッピングモールの駐車場では、タオルやフルーツなど小物を販売する汚れた身なりをした子供が寄ってきます。
路上で寝ている人を目にすることも多いです。
世界銀行の調査レポートでは、フィリピンの2019年の貧困率(※注)は20.8%となっています。
※貧困率:1日当たりの収入が3.2ドル以下の国民の割合
参考:日本貿易振興機構(JETRO)貧困率は20.8%、20年間で半減と世界銀行が調査レポート
2. 車と車の間をぬって物を売る
フィリピン・セブでは、様々場所で小物を売る人がいます。
例えば、信号で停止中、車と車の間をぬって歩き、サングラスや車用の置物、お菓子、水などを販売する人がいます。
初めて見た時は驚きました。
商品はトレンドも反映しているようで、コロナ下の最近はフェイスシールド。以前はビニール製の凧を販売していたこともありました。
また、ショッピングモールやスーパーの駐車場では、箒(ほうき)を売る人(なぜか箒が多い)、洗車をする人、車の誘導をしてチップをもらう人など様々な人がいます。
それから、人通りの多い通りや人の集まる場所では、「タホ」と呼ばれるフィリピンではポピュラーなデザートを売る人もよく見かけます。
フィリピンでは、失業率が高く、定職に付けない人が多いのですが、少しでも小銭を稼ぐため小物を売ったり、チップをもらうため、隙間の仕事をする人が大勢います。
3. トイレ事情
フィリピン・セブで、最初にスーパーのトイレに入った時に驚いたこと
「べ、便座がない」
便座がない理由は、調べてもこれといった理由が見つかりませんが、フィリピンではお尻を水で洗うという文化があるため、便座があっては洗いにくいからではないかという説がありました。
フィリピンの家庭では、手桶の置いてあるトイレが一般的です。
また、家を借りて住む時に、「トイレに紙を流さず、ゴミ箱に」と言われたことにも驚きました。
今では慣れましたが、日本での感覚だと、お尻を拭いた紙がゴミ箱に残っているのは気持ち悪いものです。
また、フィリピンでは、ほとんどの場合、トイレットペーパーが水に溶けないので流してはいけません。
スーパーやショッピングモールでは、便座のあるトイレも増えてきていますが、まだまだ便座がないケースが多いです。
私は、ベビーワイプ(赤ちゃん用のおしりふき)を携帯して、それで拭いてから座っています。
他の人は、空気椅子や便座をまたいで縁に足を載せて用を足すというアクロバティックな方法が多いようです。これらの方法はなかなか大変だと思います。
4. 賄賂文化
「賄賂」というには少々大げさかもしれません。
ここれでいう「賄賂」は、公的な機関で余計にお金を取られたり、交通違反で捕まった時に少しの「袖の下」を渡して見逃してもらうことを指しています。
私の住んでいるセブとマニラでは事情も違うかもしれません。
私の経験では、セブ市内の郵便局で、4年位前に日本から届いた郵便物を受け取るのに、余計にお金を取られました。
また、1年ほど前、交差点を曲がった時に警察に止められ、切符を切られました。曲がってはいけない場所だったらしく、「切符を切るから役所へ行き、1500ペソ(3千円位)払え」
と言われました。役所へ行って支払うのは時間と労力がかかるので、「ここで払えないか」と聞くと、「It’s up to you」(あんた次第だ)と言われ、500ペソ払うと、見逃してくれました。
この件は、私の方にも問題があったし、賄賂を渡すのは良くないと思いますが、あまりにも簡単に、結構大変なペナルティが課せられる理不尽さがあります。
マニラに長く住んでいる知人は、外国人は目を付けられやすく、何かと入用なクリスマス前は捕まりやすいと言っていました。
一方で、ドゥテルテ大統領は「賄賂を要求する役人に発砲することを許可した」という最近の報道もありました。
最近、4年前にお金を取られたところとは別の郵便局に行った時、壁貼ったポスターに「NO gift policy」(金銭や物品を渡すことは禁止)と書いてありました。
最近は変わってきているのかもしれません。
5. カオス状態の交差点
フィリピン・セブの交差点は、まるでカオス状態です。
主要な交通量の多い道路で信号機のない交差点が数多くあります。
そういった交差点では、各方向から我先に前に出ようとする車が入り乱れ、車の流れが途切れた隙間を狙って進まなければなりません。
長らく車を運転していると、そういった所にも慣れましたが、相手の車の動きを見ながらの阿吽(あうん)の呼吸が必要で神経は使います。
ちなみに、セブでは主要な道路の渋滞が深刻ですが、特に渋滞がひどいところは、信号のあるところと、警官が手動で交通整理を行っているところです。
意外と信号のない交差点の方が車の流れがよいのかもしれません。
また、信号機の故障や、故障で動かなくなった車が道路を塞いでいるという光景も珍しくありません。
渋滞はマニラではもっとひどいと思います。
6. 女性の管理職が多い
フィリピン・セブの銀行へ行くと、女性の支店長や管理職が多く、意外に感じました。
また、子供たちの通う小学校でも、教師は女性が多く、以前通っていた幼稚園の校長も女性でした。
少し古い統計ですが、「Women in Bussiness and Mangement Gaining Momentum Global Report」(国連)によると、2012年の女性の管理職の割合は、フィリピン:47.6%で、対象国128カ国中4位でした。なんと半数近くとなっています。
ちなみに日本は11.1%(96位)で、先進国の中でも低い割合となっています。
フィリピンは、産休・育休などの公的サポートが手厚いわけではありません。
それでも女性が広く社会進出しているのは、残業が少ないことや、普通の家庭でもヘルパーさんを雇うのが一般的なこと、女性が社会を支える文化が根付いていることなどが理由とされています。
7. 接客の態度
日本での対応が当たり前と思っていると、イライラするのがフィリピン・セブでのぞんざいな接客態度。
スーパーやコンビニなどでは、店員が客に物を渡す時に、客の方を向かずに、手だけで動かして渡す。客がいて何かを探していてもスマホをいじっているというようなことがあります。
また、インターネットのカスタマーサービス等でも、トラブルの原因が明らかにサービス提供側にあったとしても、謝ることは少ないです。
ぞんざいな態度の接客は、最近では、こんなものだと慣れました。
一方で、フィリピン人は全般的に陽気な人が多く、親切な店員さん、フレンドリーな店員さんも多いです。
8. 時間の感覚
スケジュールが決まっているイベントや集まりなどでの時間感覚は、フィリピン人と日本人のギャップを感じることが多いです。
フィリピンでは、開始の時間通りに始まることが少なく、ダラダラとした時間を経て、やっと始まるという感じです。
例えば、子供たちの音楽発表会のスタート時間が10時の場合、10時になってもまだ始まる雰囲気はなく、時間が過ぎてから来る人も多いです。
開始時間から30分~1時間近く経過してから始まります。
遅れないよう急いで会場に行って肩透かしということがよくあります。
こういうものだと分かりましたが、なかなか時間厳守の日本人的感覚は抜けません。
9. どこでも歌を歌うフィリピン人
フィリピン人は歌が好きなのか、至る所で歌声が聞こえてきます。
例えば、ショッピングモールやスーパーの店員がBGMの曲と一緒に歌うのをよく目にします。
鼻歌程度なら日本でもアリかもしれませんが、わりとハッキリと歌います。
ショッピングモールのカラオケ装置を販売している売り場では、マイクを手に熱唱している姿を見ることもあります。
また、我が家のアパートの隣の家でも、家政婦さんが大声でよく歌っています。
歌のは構わないのですが、まだ寝ている朝早くに歌う時は困ります。
我が家でも数年前、家政婦さんを雇っていた頃、彼女もよく歌っていました。
歌うのは洋楽のヒット曲が多かったです。
10. ニワトリの多さ
フィリピン・セブでは、ニワトリの多さに驚きました。
我が家は、「ビレッジ」とも呼ばれる区画整理されたエリアに住んでいますが、朝早くから、というか、1日中「コケコッコー」と聞こえてきます。
たくさん飼っているようで、一羽が鳴くと、他の鶏が鳴き、次々と伝染している感じ。
「コケコッコー」「コケコッコー」「コケコッコー」と輪唱状態です。
また、フィリピンでは、闘鶏(チキンファイト)というニワトリ同士を戦わせる、ちょっと残酷なローカルギャンブルが盛んなようです。
(セブでは「クックファイト」と呼ばれるらしいです。)
日本では、昔はニワトリを飼っている家庭が多かったようで、闘鶏も行われていたようです。
カルチャーショック10選 まとめ
とりあえず、10選にまとめましたが、日本とのギャップを感じる面はまだまだたくさんあります。
愚痴のような内容、マイナス的な内容も多かったと思いますが、そういった面も含めて、緩い感じの国柄が気に入っています。
何事もキチンとしなければ許せない方には、ストレスフルな事が多いかもしれませんが、海外へ行った時の楽しみの1つはカルチャーショックを感じることだと思います。
Let’s enjoy culture shock!