フィリピンに入国する際は、往復、またはフィリピンから他国への航空券(例:フィリピン→香港など)を所持していることが入国条件となっています。
さらに、30日を超えてフィリピンで滞在する場合は、30日以内に出国するチケット(捨てチケット)が必要とされる場合があります。
最近、30日以内に出国するチケットが必要になる条件が撤廃されたとの情報がありましたが、在日フィリピン大使館に確認したところ、曖昧な返答が返ってきました。
現時点では、まだ完全に帰国時の捨てチケットが必要ないとの公式な確認は取れていません。
この記事では、フィリピン入国時の捨てチケット(30日以内の出国チケット)に関する現状をご紹介します。
フィリピンに入国するために準備が必要なもの
フィリピン入国時に必要なものは以下の通りです。
このうち、この記事は3.についてです。
- eTravelの登録
- 6ヶ月以上有効なパスポート
- 帰りの航空券(31日以上の滞在の場合は注意)
- 海外留学保険の加入(コロナ治療に対応したもの)
捨てチケットについて
捨てチケットとは、購入しても実際には使わないチケットのことです。
フィリピンの場合、滞在期間が30日以内か、31日以上かによって対応が変わってきます。
滞在期間が30日以内の場合は、捨てチケットは必要ない
フィリピンに入国するには、往復の航空券か、フィリピンから他国への航空券が必要です。
片道の航空券だけでは入国できません。
滞在期間が31日以上の場合は、捨てチケットが必要となる可能性がある
問題は、30日を超えて滞在する場合です。
捨てチケットの購入方法、購入しない場合等については下部にまとめています。
捨てチケットについて
フィリピンでは、2022年3月10日発表のコロナ対策の一環で「外国人のフィリピンへの入国に係る要件」として、「フィリピン到着日から30日以内にフィリピンから帰国・出国するための航空券を所持していること。」と定められています。
参考:フィリピンにおける新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の対応について(その200:外国人のフィリピンへの入国に係る要件等:変更)(在フィリピン日本国大使館 )
30日を超えて滞在する留学生などの外国人は、帰国予定日のチケットとは別に、フィリピンに入国するためには、原則30日以内に帰国または、第三国へ出国する航空券が必要という意味です。
捨てチケット(30日以内の出国チケット)は不要になったとの情報も
最近、一部の語学学校の情報で、捨てチケット(30日以内のチケット)が必要なくなったとの話がありました。
フィリピン政府の公式サイトでは、許可された滞在期間に対応するチケットと書かれています。
これは、捨てチケットは必要ないとも解釈できますが、はっきりしません。
参考:Travel to the Philippines(フィリピン大使館)
この点について、「30日以内のチケットがなくて、本当に問題ないか」を在日フィリピン大使館(東京)にメールで問い合わせたところ、以下のような回答がありました。
It is best to have a return ticket within 30 days.
2023/10/13 Philippine Embassy, Tokyo
翻訳すると「30日以内の往復航空券あることが最善」
スッキリしない回答ですが、「あった方がいい」、「購入することが推奨されている」と解釈できます。
前述の語学学校の情報は、フィリピンの入管局で確認したようですが、まだ、フィリピン当局の内部で統一されていないのかもしれません。
捨てチケット提示を求められるタイミング
出国時の出発カウンター、あるいは、フィリピン入国時の入国審査の際です。
捨てチケット問題の対応策(ケース別)
30日を超えて滞在する場合、入国時に必要な30日以内に出国のチケット(捨てチケット問題)の対応策をケース別にまとめました。
捨てチケットを購入する場合
- 入国チケット+出国チケット+捨てチケット購入
- 入国チケット+捨てチケット購入(留学中に帰国時のチケットを購入)
②は、とりあえず、30日以内の捨てチケットで入国し、留学期間中に帰国時のチケットを購入するかたちです。
留学延長や、留学後に旅行などの可能性があり、終了日が未定の場合にお勧めです。
ただし、②は留学期間が11週までの場合に可能です。
12週間以上の場合は、SSPの申請時に、留学終了日の帰国便航空券もしくは他国への航空券の提示が必要となるためです。
捨てチケットを購入しない場合
捨てチケットを購入しない場合は、以下①②のケースがありますが、どちらもチケット購入費用が高めです。
- 入国チケット+出国チケット(FIX/OPENチケット)
- 入国チケット+30日以内の出国チケット(フィリピン入国後に日程変更)
②の方法は、日程変更は費用が高いため割高になります。
①のFIX/OPENチケットは格安航空券ですが、捨てチケット購入の場合と比較をお勧めします。
①入国チケット+出国チケット(FIX/OPENチケット)
FIX/OPENチケットは、復路便の予約が事前に必要ですが、現地にて日付の変更ができるチケットです。
手数料がかかる場合があり、航空会社によって、変更に際する変更代金、規定などが違ってきますので、購入前の確認が必要です。また、有効期限があるので注意しましょう。
変更できるのは日程のみですが、30日以内のチケットで入国して後で帰国日に変更できます。
価格は高めですが、帰国便の予約の必要がないオープンチケットよりは安いです。
②入国チケット+30日以内の出国チケット(フィリピン入国後に日程変更)
変更するためのオプション加入が必要だったり、変更手数料が高額だったりする場合が多くあります。変更手続きを期限までに行わないと満額取られる等のリスクもあります。
捨てチケットの購入方法
では、捨てチケットを購入する場合は、どのような方法があるかをまとめました。
以下3つの方法があります。
- 実際の帰国日の往復航空券とは別に、30日以内でフィリピンから他の国へ行く最安値チケット(捨てチケット)を購入
- 24時間以内に払い戻し(キャンセル)可能なチケットを出発直前に購入する
- 48時間だけ有効なダミーチケットを格安で購入する
① 30日以内でフィリピンから他の国へ行く最安値チケット(捨てチケット)を購入
この方法が少し費用がかかりますが、一番簡単です。
捨てチケット購入については、航空会社のプロモなどを利用すると、かなり安く購入できますが、手間が結構かかります。
比較的簡単に購入できるのが以下のチケットで、行先を決めるのが面倒だという方におすすめです。
捨てチケット購入 安いチケットを見つける手順
安いチケットは、「Googleフライト」を使って調べるのがおすすめです。
出発地、目的地を入力します。
おすすめは、
- マニラ発→シンガポール行き
- マニラ発→コタキナバル(マレーシア)行き
時間のある方は、様々な都市で試してみるといいと思います。
片道、1人、エコノミーで進めます
右上のカレンダーの窓をクリックすると、料金が記載されたカレンダーが開きます。
そこで、留学の開始日から30日以内で、安い金額を探します。
この例では、セブパシフィック航空の3,898円のチケットがありました。
様々な予約サイトが並びます。
この例では、Trip.comでした。
同じチケットでも購入先によってかなり違っています。
選択した予約サイトまたは、航空会社でチケットを購入する。
② 24時間以内に払い戻し(キャンセル)可能なチケットを出発直前に購入する
JAL、ANAなどの大手航空会社は、払い戻し(キャンセル)可能ですが、チケット料金が高いので現実的ではありません。
韓国のLCCであるチェジェ航空、ジンエア―は、24時間以内に払い戻し(キャンセル)が可能です。
出発直前に購入し、無事入国できたら払い戻すという流れになりますが、時間が限られているので、リスクはあります。
JINAIR(ジンエア―)
○ 国際線
—中略—
モバイルアプリ/顧客サービスセンター/支店にて購入した最初の航空券に限り、航空券ご購入後24時間以内の払い戻しは、払い戻し違約金が免除になります。
チェジェ航空(Jeju Air)
航空券購入後24時間以内かつ搭乗手続きの締切前までに該当航空券の購入先にて変更またはキャンセルの場合、手数料が免除されます
(ただし、チェジュ航空のホームページ、モバイル、空港支店、カスタマーセンターでの購入に限って適用)最初予約から24時間が過ぎると変更の都度、手数料がかかります。航空券の変更は、搭乗手続き締め切り(チェックイン締め切り)前まで申し込んだ場合に限り可能です。
③ 48時間有効なダミーチケットを格安で購入する
裏技(うらわざ)的な方法ですが、実際に利用した方が紹介しているブログ等が数多くあります。
ダミーチケットは、空港内でチケットとして通用する仕様で、入国時の審査等で使用できます。
チケットには、確認に使用できる固有の予約番号も付属しているとのことです。
わずか10~12ドルで購入できます。
48時間経過すると自動的に失効するので、購入後は手続きなど必要はありません。
以下がよく紹介されているダミーチケット取得の専門サイトです。
- Best Onward TIcket (2024年9月現在12ドル)
- Top Onward Ticket (2024年9月現在10ドル)
Best Onward Ticketの例
セブ→シンガポール便(片道)でチケットを検索してみました。
フライトが複数あると、以下のように選択肢がいくつか表示されます。
それぞれ、しっかりと航空会社名が表示されています。
航空会社名が2社あるので、ViewDetails(詳細)をクリックしてみると
以下の画像のように、乗り継ぎ便になっていました。
便名も記載されています。
1つ選択して次へ進むと、以下のような画面になります。
48時間有効が12ドルですが、+7ドルで1週間、+10ドルで14間有効のチケットも選択できるようになっていました。
支払いは、クレジットカードとペイパルが選択できます。
まとめ
捨てチケット問題は、この問題がなくなったと思いきや、そうではなかったり、どうもスッキリしません。
語学学校でもこの話題が時々、あがってきます。
フィリピン当局の方針が明確でないことが原因だと思います。
捨てチケットは求められないことが多いとは思いますが、完全に大丈夫とは言えないので、その辺のリスクを考慮の上、どうするかを決める必要があります。
コメント