フィリピンのリタイアメントビザ(SRRV)についてご紹介します。
フィリピンの永住ビザは、リタイアメントビザ(SRRV)という名称で、アジアの中でも最も取得しやすいビザと言われています。
ビザを発行する「フィリピン退職庁」(PRA)は、コロナ禍でSRRVの発行を停止していましたが、2021年5月12日、SRRV申請を再開。
対象年齢は50歳以上に引き上げられました。
ここでは、リタイアメントビザの種類やメリット、取得費用などについてお伝えします。
リタイアメントビザ(SRRV)とは
リタイアメントビザ(SRRV=Special Resident Visitors Visa)はフィリピン退職庁(PRA)が発行する退職者のための永住ビザです。
以前は35歳から取得できましたが、2021年5月12日以降、50歳以上となりました。
年齢的には引き上げられまりましたが、その他の条件等は以前とあまり変わっていません。
取得条件が厳しくなっているマレーシア等と比較すると、まだまだ取りやすいと言われています。
▼「フィリピン退職庁」(PRA)公式ページ
▼その他のビザについてはこちらをご覧ください。
リタイアメントビザ(SRRV)のメリット
フィリピンのリタイアメントビザには、永住権のほか、数多くのメリットがあります。
- 永住権が取得できる
- 他国と比較して費用が安め(預託金2~5万ドル)
- 就労や就学に使える
- 1人の預託金枠で、配偶者や子供など同伴家族2名まで取得できる。
- ビザを解約した際に預託金が戻ってくる
- 留学校・現地校で必要な「就学許可証」(SSP)が免除される
- 59日以上滞在する外国人は取得が義務付けられている「ACR I-Card」が免除される
- フィリピンに6ヶ月以上滞在する方がフィリピンを出国する際に必要な「ECC」が免除される
- 入国審査時に特別レーン有り(長時間並ばなくてもよい)
フィリピン移住のための、その他のビザについてはこちらをご覧ください。
リタイアメントビザの種類と費用
フィリピンのリタイアメントビザは、3種類あります。
(他にもありますが、元フィリピン国籍者や元軍人などを対象としており、省略します。)
- SRRVスマイル
- SRRVクラシック
- SRRVヒューマンタッチ
SRRVスマイル | SRRVクラシック | SRRVヒューマンタッチ | |
---|---|---|---|
対象年齢 | 50歳以上 | ||
対象要件 | ー | ー | 通院必要な方 (以下が必要) ①伝染病以外の医療が必要な健康状態という証明書 ②毎月の年金が1,500ドル以上であるという証明書 |
滞在可能年数 | 無制限 | ||
必要な預託金 | 2万ドル | 2万ドル (年金受給者は1万ドル) | 1万ドル |
預託金の転用 | 転用できない | 預託金をその他の投資に転用できます(コンドミニアム、ゴルフ会員権、土地の長期リース等) 投資額は5万ドル以上 | 転用できない |
申請料金 | 1,400ドル(配偶者/扶養家族1人あたり300ドル追加) | ||
年会費 | 360ドル(配偶者/扶養家族含む) (3人目以降の同伴家族を追加する場合、一人当たり100ドル追加) |
リタイアメントビザの申請に必要な書類
日本国内で準備するもの
- パスポート原本(60日以上の有効期限があること)
- 犯罪経歴証明書(アポスティーユ認証済)
①都道府県警で取得→②公証人の認証取得済みの翻訳/公印確認の手続きを行う(日本の外務省または、フィリピン国内の領事館にて) - 戸籍謄本/婚姻証明書/出生証明書(アポスティーユ認証済)
①配偶者あるいは子供がいる場合は取得→②公証人の認証取得済みの翻訳→公印確認の手続きを行う(日本の外務省または、フィリピン国内の領事館にて) - 年金証書(アポスティーユ認証済)
①年金受給者として申請する場合は取得→②公証人の認証取得済みの翻訳→公印確認の手続きを行う(日本の外務省または、フィリピン国内の領事館にて) - 証明写真(5cm × 5cm) 12枚
アポスティーユ認証・公印確認とは
アポスティーユと公印確認は,どちらも日本の官公署,自治体等が発行する公文書に対する外務省の証明のことです。
日本国内で行政機関が発行した書類は、そのままでは、フィリピンの役所は正式な書類として認めてくれません。
そこで、日本政府が「正しい書類です」と認証した証を見せることで、正式な書類として通用します。
公印確認・アポスティーユとは(外務省)
- 日本国内の場合 外務省(東京・大阪)
- フィリピン国内の場合 領事館(マニラ・セブなど)
フィリピンで準備するもの
- 健康診断書(フィリピンの病院で受診)
- NBIクリアランス(現地無犯罪証明書)
フィリピンに入ってから30日以内にSRRVを申請できない場合に必要 - 定期預金証明書
海外送金の証明書 - ビザ申請費用
申請者:$1,400(扶養者:1名の場合:$300、2名の場合:$600) - 年会費
360ドル(配偶者/扶養家族含む)
リタイアメントビザ取得の流れ
リタイアメントビザは申請完了までおよそ2か月間かかります。
- 日本で申請に必要な書類を用意する
- 預託金をフィリピン退職庁(PRA)指定の銀行に送金
- フィリピンにて申請に必要な書類を用意する
- 退職庁(PRA)に申請を行う
中高齢の方のお役立ちサイト:終活に関する情報サイト「みんなの終活」
コメント
コメント一覧 (2件)
「日本国内で準備するもの」に「戸籍謄本/婚姻証明書/出生証明書(アポスティーユ認証済)②配偶者あるいは子供がいる場合は取得」とありますが、申請者当人のみが申請の場合は不要ではないでしょうか(当人の配偶者も申請の場合は必要だが)。
ご質問ありがとうございます。
記事に書いている通り、配偶者や子供がいる場合は、戸籍謄本/婚姻証明書/出生証明書が必要ですが、おっしゃる通り、本人のみの場合は必要ないと思います。
フィリピン退職庁のリタイアメントビザ(SRRV)に関するページはこちらです。
https://pra.gov.ph/srrv/
リタイアメントビザの取得条件等は、変ることもあるので、確実なところは、フィリピン退職庁または、専門の業者にご確認ください。