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「子供を英語バイリンガルにするには教育移住すればよい!と気づいた日~教育移住日記①」からぜひお読みください。
太郎の昇級をお願いしてみる
ハロウィンは10月31日だが、幼稚園では10日間の休暇に入る前日、10月24日にハロウィンパーティーが行われた。子どもたちも先生も仮装していて、幼稚園全体がお祭りムードだ。
そんな中、私はバンパイアの格好をしている教頭と会議室で向かいあっていた。実は数日前に、太郎を年齢相応の年長クラスに昇級させてほしいと要望していて、その結果をうかがえることになっていたのだ。
太郎は年齢より一学年下のクラスに所属していた。半年たってもいまだに幼稚園では無言で、せいぜい首を縦か横に振って意思を示している。そんな状態なのにおこがましいが、私は太郎を年相応の年長クラスに昇級させたいと考えるようになっていた。
セブでお子さんを育てあげたママ友の大先輩にお話を伺う機会があり、今、昇級すべきと気付いたのだ。というのも、いずれは周囲と比べて英語力は遜色なくなるはずなのに、小学校に入学するのが一年遅れたら、年相応の学年に入れる日は来ない。
日本では考えられないが、フィリピンの幼稚園では飛び級も降格(落第?)も先生の判断で頻繁に起きているのだった。
教頭は太郎について、
- 英語は話さないが理解し始めており、ペーパーテストの正解率は良い
- 算数は非常に良くできている
- 精神的にも成熟している
と評価し、11月から年長クラスにあがることを認めてくれた。私は大喜びした。
太郎も喜んだが、彼の理由は少し違う。太郎は日本にいた時から、園のお昼寝の時間が嫌いだった。そのため、昼寝が必須の幼稚園から出られることを喜んでいた。
いま年長に上がれることが決まり、後は入試(卒園テスト)を乗り越えれば、同じ年の子たちと一緒に小学校に入れることになった。
次郎と花子に飛び級の提案
太郎が年相応の年長に入ってすぐ、先生から、次郎を年中に昇級させないかと提案された。既に年齢相応の年少クラスに昇級していたので、実年齢よりひとつ上に飛び級ということになる。驚いた。
次郎はそれほど英語が話せるわけではないが、性格的に落ち着いていて、真面目でルールをきちんと守るので、学年を上げても大丈夫だという。
たぶん、太郎と一緒に家庭教師を受けているので、幼稚園でも始まった「勉強」ができると評価されたようだ。
先生にとって扱いやすく、かつ、本人にとって学年が上がっても苦労しなさそうなら、昇級させるほうがいい、という考えがフィリピン流。だが、私と夫は迷った末に、年相応の学年に次郎をとどめることを選んだ。
日本の学校に戻る日がもし来たら、学年のずれがデメリットになる可能性があると考えたことと、まだ、お友達と英語できちんと意思疎通できない次郎にとって飛び級は、能力的に負担になると考えたからだ。
当時、飛び級という考えに馴染めなかったからだが、今思えば杞憂だったかもしれない。
一方、その約1年後に、花子にも飛び級の話が来て、その時は OK した。幼稚園を1年短く進められれば1年分の費用を節約できることと、一番下の花子の学業修了を1年早められれば、我々の老後の人生設計も1年早く進められるという大人の事情(苦笑)からだ。
フィリピンの先生は、昇級も落第(降格)も深刻にならずに判断する。
太郎の昇級を必死にお願いしている時、教員リーダーの先生が、ご自身の娘さんは年齢より一学年下に所属し、同年齢の子よりさらに一年勉強させたが良かったよ、と体験を話してくださった。だが、日本では、年齢と異なる学年に所属させられる例はほとんどないため、最終学歴卒業や就職が一年遅れたら、周囲にいぶかしく思われ、いちいち理由を説明するのが大変かもしれない。
逆に、一年飛び級なら、相当優れていたと良い誤解をされる(?)のがせいぜいで、何か好きなことに一年打ち込ませて時期を合わせることも無理ではない。
いずれにしろ、我が子は、日本では学年が一年おきの三人だが、フィリピンでは次郎と花子は一学年しか違わないことになった。(続く)
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