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「子供を英語バイリンガルにするには教育移住すればよい!と気づいた日~教育移住日記①」からぜひお読みください。
日本の小学校に入学
卒園式翌日の飛行機で、私たちは札幌に帰った。3〜6月、つまり日本でいう春は、フィリピンでは乾季で最も暑く、3カ月間の長期休みとなるのだ。私たちはこの間、札幌の実家に居候し、太郎は近所の公立小学校に通うことになっていた。
この小学校は一学年の生徒が30人弱しかいない。札幌市の学校統廃合計画の俎上に上がっている。私の母校だ。
第二次ベビーブーマーの私が通っていた頃、父が建てた我が家を含めて新築ラッシュで子どもたちがどんどん転入してきた。市は近隣に小学校を3つ建設したが、増え続ける子どもの数に追いつかず、この母校にプレハブの教室を増築したぐらいだ。
しかし、その後は少子化。プレハブを壊し、近隣の学校を廃校にしても教室が余り、現在、最上階は「地区センター」となっている。
日本の小学校を太郎は楽しんだ。入学式から出席したので、「セブから来た」と目立つこともなかった。クラスのお友達とあっという間に仲良くなり、男の子とも女の子ともよくしゃべり、遊んでいた。
学校図書館の本を毎日、借りていく姿は目立ち、「クラスで一番、本を読む子」と先生に褒められた。北海道では運動会が5月に開催されるので、それにも参加できた。短い期間だったが、いい思い出になった。
友達と別れる辛さで、セブに戻る前の晩、太郎は泣き出した。「セブに行きたくない」と言われるのを私は恐れたが、太郎は「セブの小学校に入るのも楽しみ」と言った。「また来年、日本のお友達に会いに戻ってこようね」と話すと、落ち着きを取り戻した。
セブの小学校にも入学
セブに戻り、太郎は通っていた幼稚園と隣接する小学校に入学した。太郎のクラスに、また日本人はいない。クラスメイトは幼稚園時代とほぼ同じ顔ぶれで17人だ。
教科は英語、算数、理科、社会、コンピューター、フィリピン語(外国人は易しい内容で受けられる)の6科目。セブでは毎日、生徒は全科目の教科書とノートをキャスター付きの大きなカバンに入れてガラガラ引っ張って運ぶ。
昨年のこの時期、ショッピングモールでこの種のカバンがたくさん売られているのを見て、「子どもの旅行用スーツケースがずいぶんある」と私は勘違いしたが、これがセブのランドセルなのだ。
時間割は月~木曜までほぼ同じで毎日全教科を学ぶので、日本より持ち運ぶ量が多い(金曜は音楽、体育、芸術を学び、ジャージで登校)。
セブの小学校は早朝にスタートする。太郎が通う小学校の場合、駐車場を共用する幼稚園と混雑が重ならないように、幼稚園より早く朝7時半に授業が始まる。
終了は夕方4時で、幼稚園の家庭教師終了と同じ時間だ。そのため、まだ2歳の花子も今年度からは次郎同様、オプションの午後クラスと家庭教師をつけることにし、子供3人を一度にお迎えできるようにした。
2歳児に家庭教師をつけるなんて我ながらあきれるが、幼稚園から場所を移動することなく安全に4時まで過ごすためでもある。ひと月約1万円(4200ペソ)だ。
一方、太郎は家庭教師をつけるのを諦めた。小学生の家庭教師は4時から始まるためだ。太郎には宿題が毎日少しずつ出るし、私にはさっぱり分からないフィリピン語もあるので困ったが、メイドさんが手伝ってくれることになった。
セブ日本人補習授業校で日本の授業も受けられる
太郎は、小学生以上を対象に毎週土曜午前に開校されるセブ日本人補習授業校にも入学した。ビルの広い一室を区切って作られたブースで、学年ごとに分かれて座り、日本の小学校と同じ国語と算数の教科書を使って、日本人の先生から学ぶ。日本の勉強に遅れないよう漢字の宿題が多く出るので、太郎は自宅で書き取りをするようになった。
今年の小学一年生は約10人。セブに来てから初めて、日本人のクラスメイトができて、太郎は喜んだ。セブで生まれ育ったお子さんも多く、日本語は苦手な子もいる。英語力必須のセブにおいて、太郎の日本語力を評価してもらえる場所があるのは有り難かった。
図書スペースに子ども向けの日本語の本がたくさんあり、いくらでも借りられるのも嬉しかった。「ハリーポッター」のぶ厚い本を見つけた太郎は、読み仮名がふられていない漢字の読み方や意味を私に聞きながら、数週間かけて読み終えていた。(続く)
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